歯肉退縮症||上顎犬歯部歯肉退縮に対して審美面及び知覚過敏の改善

治療前
初診時の口腔内写真

治療後
根面被覆後1年6ヶ月時の口腔内写真

歯肉退縮症は様々な原因で生じますが、一旦退縮してしまった歯肉は原因によっては自然に寛解する事はあまりありません。

今回のケースでは歯肉退縮してしまった犬歯部に知覚過敏と審美面の障害がありました。また他と歯肉ラインが異なるため清掃性が悪くなっており結果として歯肉炎も引き起こしていました。

全くの無症状であればもちろん経過観察というのも一つの考え方ではありますが専門的な立場から見るとこのまま放置していても悪化する可能性もありましたので治療(根面被覆)を行なっていくこととなりました。

治療の経過

初期治療終了後
初期治療終了後
咬合面から見るとやや歯列不正がある
咬合面から見るとやや歯列不正がある
術後2ヶ月
術後2ヶ月
術後8ヶ月
術後8ヶ月

根面被覆手術は適応症を守れば予知性の高い術式です。

また当院ではマイクロスコープ下で手術を行うことでより詳細に手術部位を観察しながら治療を行うことができるため成功率の向上に繋がっていると考えています。

また今回のケースでは歯がやや歯列から逸脱していたため根面被覆手術に結合組織移植術(CTG)とエムドゲインの塗布も併用しています。

主訴

知覚過敏と審美面の改善

治療内容

まず退縮している歯肉部分の炎症を取り除くため初期治療とともに口腔衛生指導を徹底的に行なった。

その後歯肉炎の軽減を待ってから根面被覆術を実施。

患者様の年齢 55歳
患者様の性別 女性
治療期間 4ヶ月
治療費 10万円
治療で得られるメリット

歯肉退縮の改善

知覚過敏の改善

審美面の改善

歯肉の厚みを増やすことで今後歯肉退縮するリスクを軽減

治療する際に起こるリスク・副作用

歯の位置異常があったため手術でのComplete Root Cover(完全に根面被覆できている状態)の達成が困難

歯肉退縮があるからといって必ずしも手術を行う必要はありません!!

ではどのような場合が治療の対象となるのでしょうか?

治療の対象になる場合は

・痛みがあるかどうか(歯肉退縮による知覚過敏がある場合)

・審美面の問題

・清掃性が悪くなってないか(部分的に歯肉退縮が生じると磨けてない場合があります)

・このまま放置した場合将来的に不具合が生じないか

などが挙げられます。

痛みや審美面といった自覚症状は分かりやすいと思いますが、清掃性や将来的にどうなるかといった部分は患者さん自身の持つお口の中の解剖学的な部分とリンクすることが多く患者さん自身で気付けない場合も多くあります。

戸越なかやま歯科では歯科医師・歯科衛生士が定期検診ごとに専門的な目を持ってそのリスクファクターをチェック・評価し将来的なリスクを軽減できるよう努めております。

生涯にわたって快適なお口の健康を維持できることを目標にしておりますので少しでもあれ??と思った方、もしくは問題がないかチェックしてほしいという方はいつでもご連絡ください。

一緒にお口の中の健康を作っていきましょう!!