『タバコってやっぱり歯周病に…

『タバコってやっぱり歯周病にとってはリスクファクター!?』

『タバコってやっぱり歯周病にとってはリスクファクター!?』

  • 喫煙における歯周病への影響とは

喫煙における歯周病への影響とは

こんにちは。

毎年、夏は猛暑が続き異様な暑さで毎日体力を奪われてますが、今年の夏は延期されていた東京オリンピックが開催され、色々なスポーツを観ながらテレビの前で大応援し暑さも忘れるぐらい感動していた林です。

 

戸越なかやま歯科の患者様でトーチランナーをされた方もいて、トーチを持たせてもらい貴重な体験もさせてもらいました。

その患者様は、トーチランナーがあるのでその為には健康第一で過ごさないといけないという思いから、『口腔内検診を!』と来院されました。

検診をした時にブラッシング指導とクリーニングを行い、歯磨きの磨き方や、口腔内への意識が劇的に変化され、その後も初診に来られた時と比べ、凄く良好なプラークコントロール(歯磨きや食生活の改善などでプラークの付着を減少させること)で今でもその状態を維持されています。元々は喫煙をされていたので、喫煙が口腔内に与える影響と禁煙のメリットについてお話しさせていただきました。

 

そこで皆さまにも、少しでも『喫煙について』理解してもらえたらと思います。

 

タバコを吸っていると歯肉の腫れや出血が見た目上抑えられ、患者さん自身が歯周病に気づきにくくなります。

実際に治療を始めても歯肉の治りは悪く(もちろん何もしないでいるよりは改善しますが)、治療効果の現われ方が非喫煙者よりも低いのです。

しかも、治療後経過を追っていくと、喫煙者の歯肉は再び悪くなっていく傾向(歯周病の再発)にあります。

 

どうしてこのような事が起こるのでしょうか?

タバコの煙に含まれる「一酸化炭素」は組織への酸素供給を妨げますし、「ニコチン」は一種の神経毒で、血管を縮ませるので、体が酸欠・栄養不足状態になります。

ニコチンは体を守る免疫の機能も狂わせますので、病気に対する抵抗力が落ちてしまったりアレルギーが出やすくなります。更に傷を治そうと組織を作ってくれる細胞(線維芽細胞といいます)の働きまで抑えてしまうので、手術後(フラップ手術や再生療法)も治りにくくなります。

また、「ヤニ」という形で歯の表面に残っているので、歯がざらざらして細菌が張り付きやすくなるのはもちろん、いつまでもお口の中や歯肉にニコチンが染み出しつづけることになるのです。

 

では禁煙するとその効果はあるの?と思う方もいるかもしれません。

禁煙することで、この危険性が下がっていくことも、研究の結果解っています。「歯周病へのかかりやすさ」は4割も減ります。

手術後の治療経過も禁煙者は非喫煙者とほとんど差が無くなります。

 

残せる歯を1本でも多く残すことが歯周病専門医の使命だと思っています。院長も歯周病専門医として責任を持って治療をして行く上では、どうしても患者さんに禁煙をお勧めさせていただいています。

特に中等度~重度の歯周病患者さんの治療において禁煙していただけないケースでは、残念ながら抜歯せざるを得ないケースも増えてきます。

 

重度の歯周病に悩まされている方でも、禁煙することで治療結果に違いが出てくる場合が多くあります!

禁煙のきっかけを探している人は、これを機に喫煙を止めることで、歯と歯肉の健康を保つことに繋がっていきます!!

禁煙によって、危険因子となっていた歯周病は改善され、口腔がんのリスクは減少し、味覚が正常となり、楽しい食生活となるでしょう♪

しかし、それだけではありません!お口(口腔)以外の全ての臓器も同様に、危険因子がなくなることで、色々な病気のリスクが減少します。

タバコから「大切なひとだけでなく、その周囲も守る」ため、今後は、歯科からも積極的に禁煙支援を始めさせてもらい、少しでも患者様の力添えが出来るようにサポートさせていただきます。

 

歯科衛生士 林